Mind
今までとこれから
ヘッドヒーラーとして歩み始める前は、
地元盛岡で美容師をしていました。
当時から、道具を介さず直接相手に伝わる
シャンプーやマッサージが好きでした。
自分の手から何かのエネルギー(氣)が出ていること、
それが癒しの要素になっていることを実感していました。
特にヘッドスパをした後は、
見た目と心の変化が顕著に現れていました。
身体に溜まり淀んでいたものがクリアになったことで、
その人の身に纏う空気は柔らかく、
顔つきや表情まで穏やかになり、
さらには見た目まで若返っていました。
施術前とはまるで別人で、
まさに「憑き物が取れた」という表現がピッタリでした。
その時、
心と体の緊張がほぐれると、
人は本来の自分に戻ることを目の当たりにし、
改めて頭を施術することの奥深さ、
神秘さに心奪われ、
その世界にどんどん引き込まれていくようになりました。
いつしか、もっとこの世界を知りたい、
もっと深く学びたいと思いはじめていました。
頭を触ると、いまその人がどんな状態か
言葉にしなくてもなんとなくわかりましたし、
悪いものが溜まっている人を触ると
施術後は明らかにお客様が別人のように元気になっていて、
逆に私はさっきまでとは別人のように疲れ、
体調を崩したりという不思議な体験をよくしていました。
しばらくして、蓄積されていたストレスと疲労で身体を壊し、
何をしても痛みの取れない腰痛に悩まされるようになりました。
痛み止めを飲んでも薬を塗っても、
注射を打っても良くなることはなく、
あんなにピンピンしていた自分の身体が日に日に悪くなり、
思うように動かなくなりました。
そこに追い打ちをかけるかのように、
東北大震災が起きました。
それが引き金となり、
心身に影響を受け、
より体調は悪化していきました。
思うように状況が良くならない焦りから
不眠を招き、ストレスで塞ぎ込むことが多くなりました。
終いには、ほぼ寝たきりの状態にまでなっていきました。
そんな時期を数ヶ月過ごした後、
この状態を脱するべく、
勤めていた会社を離れリハビリに集中する決意をしました。
環境が変わったことで、
抱えていたストレスが少しづつ薄れ、
痛みからも解放されていくようになりました。
日に日に体調も戻り、
翌年にはアメリカへ短期留学できるまでに回復しました。
そしてこの時、
この痛みの原因こそ、
自分で作り出していたストレスだったことに
初めて気がついたのです。
この経験から、
ストレスが心と体に与える影響力を身をもって体感し、
このストレスを軽減させるためには
頭を癒すことが重要なのではないか
と考えるようになりました。
帰国後、今後の人生をどう生きるか考えました。
「自分は今生で何をするために産まれてきたのか」
「私が世の中に貢献できることは何か」
「お世話になった岩手の人たちにどう恩返しをしていこうか」
と自問したところ、
辿り着いた答えは
「頭の癒しの術を身につけ、提供すること」でした。
その時ふと、
美容師時代に見た一冊の本を思い出したのです。
その本の著者こそ、私をこの道に導いてくださった師匠でした。
ここなら、私が求めている本物の癒しが学べるのでは…
と早速連絡を取り、
数日後には面接のためスーツケース1つで上京し、
ご縁でそのまま師匠の元で修行をさせていただくことになったのです。
上京してから数年が経ちましたが、
あの頃想像していなかった世界に身を置いています。
たくさんの出会いと学び全てが私の施術の糧となり、
そして貴重な財産となっています。
未来に希望が持てず、
辛く苦しい時期もありましたが、
それでも必ず救いの手を差し伸べてくださる方がいて、
間違った方向に進むとそっちじゃないよと教えてくださる方がいて、
いつも励まし、応援してくれる人に支えられていました。
改めて振り返ると、
昔も今も、私は本当に人や環境にとても恵まれてきました。
そしてたくさんの愛情を
いろいろな形で受け取らせていただきました。
この場を借りてたくさんのご縁と導きに感謝致します。
皆さまからいただいた愛を、
これからは私がお返しする番です。
これからも修行を重ね、
さらにパワーアップして、
皆さまがより良い人生を送るための
お手伝いをさせていただければと思います。
最後に、
私は頭を癒すことが
心と体と魂の浄化につながると確信しています。
浄化されることで、
自分に、他人に、そして自然に優しくなり、
それが広がって世界が平和になることを願っています。
高橋 古都乃